
「子どもたち同士のつながりや、子どもと地域とのつながりの場になって、子どもたちが自ら遊びとか楽しみを見つけられる『子ども文化』を育むような場になれば良いと思う」
東京都目黒区の柿の木坂通りで「駄菓子やなかよし・うおよし」を営んでいる。店の棚には酢イカやフーセンガム、ポン菓子といった駄菓子やおもちゃ約300種類がズラリと並び、訪れた子どもたちが何を買おうか品定めをする姿が見られる。
新潟県両津市(現佐渡市)出身。大学進学で上京し、都内で就職した。1980年に結婚した後、妻の実家があった目黒に住むようになった。子どもが生まれPTAに関わったり、地域活動をしたりするようになった頃から「息子たちが故郷と思える地域づくりをしたいと思っていた」という。
佐渡で育った子どものころは駄菓子屋によく通った。「故郷というと駄菓子屋のイメージ。それで定年退職したら駄菓子屋をやりたいと思うようになった。子どもたちが集まる楽しい居場所になって、そこから故郷という意識を持つようになれば良いなと」
酒席などで周囲に夢を話していた。年月を重ね68歳で職場から完全リタイアしたが、その前年、実家が魚屋さんのPTAの後輩から「魚屋をやめるので駄菓子屋にどうですか」と声がかかった。いざとなると決断が要った。商売経験はなく客対応...
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