東京都三鷹市の住宅で10月にあった強盗未遂事件で、警視庁捜査1課は10日、強盗未遂と住居侵入の疑いで、いずれも職業不詳の荒木颯斗(はやと)(28)=名古屋市中川区=と、渡辺創(つくる)(24)=住所不定=の両容疑者を逮捕した。いずれも交流サイト(SNS)から「闇バイト」に応募したとみて調べる。
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同課によると、両容疑者は事件数日前、X(旧ツイッター)で「高額バイト」「ホワイト案件」などの文言を検索し、秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で連絡を取り始めた。荒木容疑者は「持ち逃げされた金を取り返して」と指示を受けた。
既に逮捕された佐円(さえん)昌紀容疑者(23)=京都市=とともに3人で住宅に侵入したとみられる。捜査関係者によると、佐円容疑者は事件前、別の闇バイトに応募して「(指示役に)身分証の画像を送ったら、逃げられないぞと脅された」と京都府警に相談。府警が保護を打診したが断り、今回の闇バイトに応募していた。
逮捕容疑では、10月30日未明、三鷹市の2階建て住宅の1階窓ガラスを割って侵入し、住人の70代男性の首を絞めて金品を奪おうとしたとされる。何も奪わずに逃走し、男性ら住人にけがはなかった。認否を明らかにしていない。
首都圏で相次ぐ闇バイトによる強盗事件との関連を調べている。
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首都圏で連続している強盗事件で、指示役が交流サイト(SNS)を通じて若者らに「闇バイト」に関わらせる手口が明らかになってきた。捜査関係者によると、巧妙に個人情報を聞き出した後に仕事内容を指示。応募者が犯罪を疑っても、「断れば危害を加えられる」とおびえる心理を利用し、実行役やそれを集めるリクルーターに追い込んでいくという。(鈴鹿雄大、長屋文太、足立優作)
一連の事件で逮捕された容疑者の大半は、X(旧ツイッター)で求人情報に応募。秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」に誘導され、そこで指示役とやりとりしていた。千葉県警が捜査した事件では、シグナルのメッセージで、名前と職業、生年月日、住所など十数項目を尋ねられていた。
緊急連絡先や勤務先の情報も求められ、無回答の項目があると「埋めてください」と催促。途中で逃げられないようにするため、本人確認として身分証とともに顔を撮影する「自撮り」の写真も要求していた。
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今月2日には、指示役に実行役を紹介するリクルーター役の疑いがある男が初めて逮捕された。この男もSNSから応募し、個人情報を指示役に伝えたところ、実行役を集めるよう求められたという。
男は連続発生した東京都国分寺市と埼玉県所沢市の強盗事件の実行役をSNSで同じように集め、指示役に紹介したとされる。「強盗を指示された」と困惑する実行役には、促すような内容のメッセージを送っていた。
一連の事件では、指示役は個人情報を把握してから犯罪を指示し、「逃げたら殺す」などと脅すという。逮捕者の一部は「危害を加えられると思い、指示に従った」と供述している。
一方、警察庁によると、闇バイトへの応募者を保護すると呼びかけた先月18日以降、今月7日までに全国で保護事例が46件あった。同庁は家族も含め、パトロールなどの対応を取るとし、犯罪に加担する前に相談するよう呼びかけている。
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