東京都荒川区長選は3日告示され、いずれも無所属新人で元区議の町田高さん(50)=自民、公明推薦、共産党荒川地区委員長の茂木正道さん(70)=共産推薦、元都議の滝口学さん(54)の3人が立候補した。10日投票、11日開票。(細川暁子、鈴木里奈)
5期20年を務めた西川太一郎区長(82)の区政への評価、災害対策や子育て支援の充実などを巡り論戦が展開される。
区議補選(被選挙数1)も3日告示され、元職1人と新人3人が立候補。区長選と同日程で行われる。2日現在の選挙人名簿登録者数は17万3078人。
【各候補の第一声】
荒川区長選に立候補した、(写真左から)元区議の町田高さん、共産党荒川地区委員長の茂木正道さん、元都議の滝口学さん=届け出順
区役所前の出陣式で「社会的に弱い人たちを1人でも多く救ってあげられる荒川区にしたい」と訴えた。区議を3期10年務めた経歴を強調し、区立児童相談所の設置に尽力したなどの実績をアピールした。推薦を受けた自民、公明の国会議員、都議、区議らが応援に駆けつけた。「国とのパイプがあるのは自公。区だけではできない事業はたくさんある。スムーズにできるのは私だけだ」と訴えた。
共産党の山添拓政策委員長が駆けつける中で町屋駅前に立ち、「区民生活を後回しにしてきた」と現区政を批判。人に優しい区政への刷新を訴え、学用品の無償化や、区独自に保育士を多く配置するなど子育て支援の充実を掲げた。区の基金積み立てで財源はあるとして、介護保険料の引き下げも主張し、「誰もが住み続けることができる持続可能なまちづくりをする」と力を込めた。
JR三河島駅付近にある事務所近くの神社でマイクを握り「厳しい選挙になると覚悟している」と気を引き締めた。都議3期の経験を踏まえ「都や近隣自治体ともつながって地域を良くしていく」と訴えた。耐震化や不燃化、初期消火体制強化など災害対策の充実を強調。コミュニティバスの縮小が相次ぐ中で、高齢者の移動手段の確保へ「あらゆる可能性、選択肢を探る」と力を込めた。
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