ウクライナへの支援や交流を続ける日本ウクライナ文化交流協会の小野元裕会長(54)=大阪府八尾市=が12日、東京都千代田区内で講演した。2022年2月のロシアによる侵攻から2年半余り。「関心を持ち続けて」と訴えた。
小野さんは大阪府で出版社を経営しながら、侵攻後は日本に来た避難民向けに通訳者の紹介や生活情報の発信、茶話会、支援コンサートなどの開催を通じて支援してきた。ポーランドに近い西ウクライナ地域に避難所をつくり、今年から戦争で家族を亡くした女性や子どもらの受け入れも始めた。
ウクライナ支援について話す小野元裕さん(中)
ウクライナで暮らした経験があり、侵攻後にも3回、現地を訪問。今年訪れた際は、街のスーパーや市場に市民の姿が少なかったという。「ウクライナ経済は疲弊している。世界の避難先からウクライナに帰ってくる人が増えつつあるが、生活の立て直しの支援も求められている」と話した。
継続した支援のため、侵攻のあった日から何日目かを記したカレンダーをつくり、100円で販売。12日で932日目となり、「できるだけ多くの人に関心を持ち続けてもらいたい。金銭的な支援と、避難者には仕事を与えて」と語った。
講演は異業種交流会「丸の内朝飯会」で行われ、約40人が会場とオンラインで参加した。(奥野斐)
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