東京・銀座と築地を隔てる首都高速道路都心環状線の掘割(ほりわり)の上に「ふた」をして、長さ450メートルの歩行空間を作る計画が具体化してきた。2035年度ごろを目標に高速上の既存の公園を拡張し、歩道を新設する。掘割はかつての築地川の跡。事業を進める中央区は「川の記憶とともに四季の移ろいを感じる空間に」と期待する。
歩行空間が広がる予定の首都高速道路の掘割部
1962年から使われている都心環状線築地川区間の老朽化に伴う工事に合わせた計画で、掘割上の2公園(計3200平方メートル)を撤去し、いずれも広げて計6100平方メートルの公園を造る。両公園の間などをつなぐ幅3.5メートルの歩道(3カ所計170メートル)を掘割上に新設。既設の公園も合わせると首都高の上を計450メートルにわたり歩けることになる。
新設・改築される歩道と公園
川の跡を利用した半地下の首都高に「ふた」をすることで、多くの人が訪れる銀座・築地周辺の回遊性を高める狙いがある。既存の公園は地元の祭りにも使われており「歴史や文化に配慮した新しい公園にしたい」と区の担当者は話す。
首都高の上に造られる公園のイメージ(中央区提供)
区は「ふた」の整備費に58億5000万円を見込んでおり、これに公園の設計・建設費用が加わるという。工事は首都高速が請け負う方向で、10月中に関連する協定を両者で結ぶ予定。区の担当者は「2035年度中に歩行空間を整備できるよう努力したい」と話している。(梅野光春)
【関連記事】「100年に1度」の再開発…東京はどう変わるのか2024年以降に開業が予定されている大型案件は
【関連記事】東京ドームから築地への本拠地移転「前提ではない」と巨人・山口オーナー市場跡地に5万人規模の新スタジアム