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足立区のNPO法人が、同区産のコマツナを麺に練り込んだ「あだち菜うどん」の普及に力を入れている。誕生から10年を超えて区外のレストランでも扱われる「東京の名物」に成長、今後の目標は世界進出だ。
区産のコマツナは生産量が東京23区で2番目に多く、他地域より鉄分を多く含むのが特長。ご当地グルメをつくる任意団体が約10年前から「あだち菜」と呼び始めた。製麺会社が多い点に注目し、麺に練り込んだところ、鮮やかな緑色と鼻に抜ける青菜のさわやかな香りが魅力のうどんが誕生した。
あだち菜うどんを手に「世界に羽ばたいてほしい」と願うNPO法人あだち菜うどん学会理事長の松山卓司さん(左)と初代理事長の渡井良昌さん=足立区で
当初はうどん店に持ち込んでも「色のついた麺とは一緒にゆでられない」と断られるなど一筋縄にはいかなかった。地元の居酒屋や学校給食から地道に普及。食べた人の声を反映して太麺だけでなく、細麺や平打ちパスタ、乾麺のうどんとパスタと種類を増やした。
現在は区役所や区都市農業公園のレストランで食べられるほか、東京・神保町の学士会館やお台場のホテル「グランドニッコー」のメニューにも採用されて区外への進出も果たした。歌舞伎の絵をパッケージにした乾麺は足立区のふるさと納税の返礼品になっており、イオン西新井店の銘店コーナーでも購入できる。
NPO法人「あだち菜うどん学会」初代理事長の渡井良昌さん(64)は「東京を代表する食べ物として海外進出するのが当初からの悲願」と語る。うどんの試作から携わってきた製麺会社「享屋(きょうや)」社長で現理事長の松山卓司さん(51)は「羽田や成田の空港のお土産になって外国人観光客の手から世界に羽ばたいてほしい」と販路拡大に意欲を燃やす。(山田晃史)
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