北陸に勝利し、応援席に駆け出す関東一の選手たち=いずれも甲子園球場で
甲子園球場(兵庫県西宮市)で開かれている全国高校野球選手権大会は12日、2回戦の4試合があり、関東一(東東京)は北陸(福井)に7-1で勝利した。日程が順調に進めば、16日に3回戦で明徳義塾(高知)と戦う。(昆野夏子)
5年ぶりの夏の甲子園出場で、春夏連続で聖地に立った。春は初戦で敗れ、選手らが「春の忘れ物を取りに行く」と勝利を誓って臨んだ初戦。自慢の走力と小技を生かし、13安打7得点と圧倒した。
3回裏に犠飛で生還する藤田大輔選手(右)
初回に先制を許して三回、相手の暴投で同点に追いつくと、1死三塁で成井聡選手(3年)が浅い左犠飛を放ち、代走した三塁走者の藤田大輔選手(同)の好走塁で勝ち越しに成功。四回には熊谷俊乃介捕手(同)が真ん中高めに浮いたカットボールを丁寧にはじき、中前打でリードを広げた。
二回以降は毎回先頭打者が出塁。五つの犠打で走者を送り、ゴロでも積極的に次の塁を狙う走塁が再三の好機をつくった。
投げては左右両エースの継投で逃げ切った。先発した左腕の畠中鉄心投手(同)は高い制球力を見せ、要所でチェンジアップとスライダーを生かして相手打者を翻弄(ほんろう)。四回からは坂井遼(はる)投手(同)が、140キロ台中盤の迫力ある直球と、100キロ未満のスローカーブを織り交ぜ、相手打線を完璧に抑えた。
持ち味の「粘りの打撃」を発揮し、春の悔しさを晴らした選手らは、試合が終わると三塁側アルプススタンドに笑顔で駆け出した。
<米沢貴光監督>(1回戦敗退の)選抜大会で悔しい思いをした。夏は何とか勝ちをつかみ取ろうと思ってやってきた。13安打で7点は、うちにちょっとだけ運もあったかな。
<高橋徹平主将>積み上げてきたことを大舞台で出せた。先制されても冷静でいられた。